「帰ってきてくれて、ありがとう」
台風19号の豪雨で行方不明になっていた長野県佐久市入沢のタクシー運転手、三石量正(かずまさ)さん(68)が3日、同市の千曲川の中州で遺体で見つかった。妻たか枝さん(70)は4日、「見つかってよかった」と涙交じりに話した。
たか枝さんによると3日、長男(42)や長女(40)の友人らが国道141号浅蓼大橋近くの千曲川を捜索中、中州で砂や流木に埋まった遺体を見つけた。駆け付けた佐久署員らが掘り出し、歯型などから三石さんと判明した。自宅から川沿いに10キロほど下流だった。
この日、たか枝さんは捜索に加わっていなかったが、午後2時半ごろ、発見の連絡があった。遺体を確認した長男は「お父さんに間違いない」と言い、皆で涙を流したという。
夫が行方不明になって3週間余。たか枝さんは「長かった。見つけるのは難しいと半分諦めていた。痛かったでしょう、冷たかったでしょう。ごめんね。どんな形でも帰ってくれてうれしい」と語り、捜索を続けた関係者に「ご心配をかけた」と感謝した。
三石さんは10月12日夕、「土のうを取りに行く」と軽トラックで自宅から約2キロの青沼小に向かったまま、帰らなかった。佐久署は自宅前を流れる千曲川支流の谷川の増水で車ごと流された可能性があるとみていた。家族と友人らは自主的な捜索を続けていた。
三石さんの発見で、台風19号による県内の死者は5人となった。【武田博仁】