群馬県は家畜伝染病「豚コレラ」の感染拡大を防止するために、野生イノシシの捕獲を強化する。狩猟者によるウイルス拡散を防ぐために全面禁猟を決める他県がある中、群馬県は予定通り15日の狩猟解禁に踏み切り、狩猟者に対する防疫措置も増強した上で、今猟期の狩猟制限を行わない。有害鳥獣捕獲で捕まえた場合の捕獲奨励金を8000円上乗せし、さらなる捕獲を促す。
豚コレラと狩猟を巡っては、岐阜県が狩猟者によるウイルス拡散を防ぐために今年度の全面禁猟を決めるなど、狩猟を制限する動きがある。群馬県内では10月4日以降、藤岡市などで計6頭の感染を確認。県はイノシシの減数を優先し、狩猟を解禁する。
県は消毒液約4000個を購入し、今期の狩猟登録者に配布。靴底や車両などに散布してもらう。また、感染イノシシ捕獲地点から半径10キロ以内の感染確認区域では、猪(しし)肉の区域外への持ち出しを禁じ、捕獲地点やイノシシの死骸埋設場所の消毒を呼びかけた。
また農作物被害防止目的で市町村などが行う有害鳥獣捕獲では、従来の国交付金(1頭あたり8000円)や市町村の奨励金に加えて、県からの捕獲奨励金として成獣1頭あたり8000円を上乗せする。
豚コレラ発生を受けて、県はイノシシの捕獲目標を今年度1万218頭に設定。県農政部技術支援課の担当者は「主要産業の養豚業に影響が出ないよう対策に取り組む」と話した。
県猟友会の須川均事務局長は「狩猟制限の不安はあったが解禁された。狩猟者の中では混乱はなく、冷静に受け止めている人が多い。猟友会としても県の捕獲強化に全面的に協力したい」と話した。【妹尾直道】