「1票の格差」が最大3.00倍だった今年7月の参院選は憲法が定める投票価値の平等に反するとして、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟で、広島高裁松江支部(金子直史裁判長)は6日、「合憲」と判断し、請求を棄却した。原告側は上告する。
二つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こした計16件の訴訟で10件目の判決。内訳は「合憲」が8件、「常識的に許容し難い格差」などとして「違憲状態」と判断したのが2件となった。
金子裁判長は、国会が今夏の参院選に先立ち、埼玉選挙区の定数を「2増」するなどした昨年の公職選挙法改正について「抜本的な見直しとは評価し難い」と指摘しつつ、2016年参院選で最大3・08倍だった格差を縮小させたことは「一つの成果」と評価。「格差の更なる是正に向けての方向性や立法府の決意は放棄されていない」とし、「違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったとはいえない」と結論付けた。
参院選での1票の格差について、最高裁は最大格差が5・00倍だった10年選挙と4・77倍だった13年選挙をいずれも「違憲状態」と判断。「鳥取・島根」「徳島・高知」の「合区」を導入して3・08倍に縮小した16年選挙は「投票価値の不均衡状態を脱した」として「合憲」と判断した。【鈴木周】