台風19号の影響で越辺(おっぺ)川の堤防が決壊した問題で、堤防決壊情報が国から埼玉県に伝えられたのは決壊判明から約3時間半後だったことが国土交通省荒川上流河川事務所などへの取材で判明した。この間、県は管理する支川の水を決壊方向に流し続けていた。荒川上流河川事務所は「他の場所でも決壊があり、時間を要した」などと説明している。
同事務所によると、10月13日午前5時25分ごろ、川越市平塚新田の越辺川堤防で、事務所が委託する巡視員が決壊を確認した。水防法は、河川の越水や決壊を確認した場合は速やかに氾濫発生情報を出し、周辺住民に氾濫を知らせなければならないとしている。だが同事務所は午前6時40分に決壊を報道発表していたが、実際に氾濫発生情報を県に出したのは午前9時だった。
決壊地点から約3キロ上流の支川・飯盛川の水門とポンプ場を管理する県は、12日午後3時ごろから排水ポンプを稼働させ、13日午前9時半まで飯盛川の水を越辺川に流し続けていた。国の決壊情報は午前9時27分にメールで受信。だがメールはチェックできておらず、同10時6分にファクスで受信して初めて知ったという。
県飯能県土整備事務所の担当者はポンプ操作について「(決壊を)知っていれば危ないから止めようと判断したかもしれないが、現場に情報は来なかった。国から停止の指示が来ていれば止めていた」とする。県の河川砂防課も「報道発表の時間から見ると、伝達系統が遅れたという印象はある」と話す。荒川上流河川事務所の担当者は「他の場所でも決壊が判明しており、時間を要した。今後は適切な時間に情報を出していきたい」と話している。【鷲頭彰子】