暴力団組長が刑務所に収監されないよう虚偽の診断書を作り検察庁に提出したとして、虚偽診断書作成・同行使の罪に問われた医師全栄和被告(64)の控訴審判決が8日、大阪高裁であった。樋口裕晃裁判長は無罪とした一審京都地裁判決を支持し、検察側控訴を棄却した。
樋口裁判長は「(診断書の)記載内容が医学的、客観的に虚偽であると認定するには合理的疑いが残る」とした一審の判断に「誤りはない」と述べた。
検察側は、診断書は腎移植前の検査結果などを流用して作成されていたと指摘。虚偽記載を認めなかった一審判決には事実誤認があると訴えていた。
全被告は京都市の病院に勤務していた2016年1~2月、実刑判決が確定した指定暴力団山口組系淡海一家総長の高山義友希受刑者(62)について「不整脈はかなり重篤」などとする虚偽の診断書を作成し、大阪高検に提出したとして起訴された。
全被告は判決後、「捜査機関の都合から無理筋の構図が作られ、結果として多大な負担を負うことになったのは極めて理不尽と感じている」などとするコメントを出した。
大阪高検の畝本毅次席検事の話 判決内容を精査した上で適切に対応する。