鹿児島県出水市の大塚璃愛来ちゃん(4)が母親の交際相手の日渡駿容疑者(21)に殴られ、その後死亡した事件で、出水市が暴行直前の8月上旬、育児放棄(ネグレクト)事案として、県の中央児童相談所に関係機関で対応を話し合う会議を要請していたことが5日、分かった。
一方、児相は4日の記者会見で「(要請を)受けたという確認はない」とした上で、「出水市からそういった情報があれば会議を行っていたと思う」と説明。県警に続き、児相と関係機関との連携不足が改めて浮き彫りになった。
璃愛来ちゃんをめぐっては、当時住んでいた同県薩摩川内市で3~4月、夜間に1人で屋外にいたところを県警が計4回保護し、児相に通告。児相はネグレクトと認定していた。
出水市や薩摩川内市によると、7月に母子が出水市に転居した際、相談記録のほか、一時保護やネグレクトが再発する可能性があることなどが両市間で引き継がれていた。
出水市の担当者によると、これを受けて同市は8月9日、児相に対し、ネグレクト事案への対応について、市や児相、県警などと協議する会議開催の必要性を打診していたという。一方、市が把握していたあざなどの情報は、児相に報告していなかった。
璃愛来ちゃんは同27日、出水市の自宅で同居する日渡容疑者に頭を殴られ、搬送された病院でその後死亡が確認された。
児相は今月4日、璃愛来ちゃんの一時保護を県警に要請したと説明したが、県警は「要請を把握していない」と否定している。