ひげをそらなかったことを理由に不当に低い人事評価を受けたとして、大阪市営地下鉄(当時)の運転士2人が、市に慰謝料など計約450万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(江口とし子裁判長)は6日、市に計44万円の支払いを命じた1審・大阪地裁判決を支持し、市側の控訴を棄却した。
市は2012年、服務規律を強化する職員基本条例を策定。市交通局(当時)も、ひげをそるよう求める内規を設けた。従わなかった2人は13、14年度の人事査定で低評価を受け、16年3月に提訴した。
大阪地裁判決(今年1月)は、ひげを理由に減点評価したのは「裁量権の逸脱で違法」と指摘。ひげに関して「服装や髪形と同様、自己の外観をいかに表現するかという個人的事由に属する」と言及していた。
市営地下鉄は昨年4月に民営化。運営する市高速電気軌道(大阪メトロ)は、ひげに関する規定を設けていない。【村松洋】