東京・池袋で4月に起きた高齢ドライバーによる暴走事故で、近くの主婦、松永真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(同3歳)を亡くした会社員の男性(33)らが20日、赤羽一嘉国土交通相と面会し、医師の診断を必須とする高齢者限定免許の導入などを求める要望書を渡した。男性は面会後の記者会見で「(自分のような)不条理な思いをする人を出してはいけないという思いがあり、今後もできる範囲で再発防止の活動を続けたい」と話した。
要望書は男性も参加する「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」が提出。高齢者の移動手段が課題の地方での公共交通機関の拡充や、ドライブレコーダーの全車両設置義務化なども求めた。同会によると、赤羽国交相は「高齢ドライバーの対策は急務だ」と応じたという。
事故は4月19日に東京・池袋の都道で発生。自転車に乗っていた松永さん親子が、旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(88)運転の乗用車にはねられ死亡した。警視庁は11月12日、ブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で飯塚元院長を書類送検した。【松本惇】