京都市の門川大作市長は20日、これまで市内に積極誘致してきたホテルなどの宿泊施設について、歯止めをかける方向に方針転換する考えを表明した。同日の定例記者会見で「市民の安心安全と地域文化の継承を重要視しない宿泊施設の参入をお断りしたいと宣言する」と述べ、市が策定中の観光基本指針にも盛り込むという。
京都市は2015年の年間観光客数が最多の5684万人に達したことを受け、16年10月に「宿泊施設拡充・誘致方針」を発表して積極誘致の姿勢を示した。その後も続いた訪日外国人の増加などを追い風に、客室数は当時の約3万室から今年3月現在は約4万6000室と1・5倍以上に増えた。
宿泊先不足が解消された一方で、急激な地価高騰や、ごみのポイ捨てや騒音などによる周辺住民とのトラブルも顕在化。「観光公害」ともいわれ、問題となっている。
市は20年度以降、計画段階での住民との話し合いなどの手続きを重視する仕組みにし、経済団体とも連携して関係業界に新設を控えるよう働きかける。ただ、需給のバランスには地域で差があることから市内での一律的な規制はしない方向。
門川市長は「基本的に市内の宿泊施設は足りている。これ以上増え続けると劣化や過当競争を引き起こす恐れがある。あらゆる手段を用いて取り組む」と強調した。【澤木政輝】