茂木外相は23日、名古屋市内で韓国の
康京和
( カンギョンファ ) 外相と会談し、12月下旬に中国・成都で開かれる日中韓首脳会談に合わせた日韓首脳会談の開催に向け、調整を始めることで一致した。
日韓首脳の正式な会談は昨年9月が最後で、韓国人元徴用工への賠償を日本企業に命じた昨年10月の韓国大法院(最高裁)判決以来、開かれていない。日本側は、韓国が22日に日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)の失効回避を決めたことで、会談の調整を進める環境が整ったと判断した。
外相会談では、茂木氏が徴用工問題について、「仮に(判決で差し押さえられた日本企業の資産の)現金化が行われれば、日韓関係はさらに深刻な状態になる」と述べ、韓国が日韓請求権・経済協力協定違反の状態を是正するよう改めて求めた。康氏は韓国側の従来の主張を繰り返したが、今後も外交当局間で意思疎通を図ることで一致した。
GSOMIAについては、北朝鮮問題での日韓、日米韓連携の重要性に関連して茂木氏から触れたという。
茂木氏は、日韓両政府が22日に再開で合意した日本の対韓輸出管理厳格化措置などを巡る政策対話について、「有意義な対話となることを期待する」と述べた。韓国外交省によると、康氏は「最終的に(輸出)規制措置の撤回に結びつかなければならない」と主張した。
会談は15分の予定を超えて約35分間行われた。会談前、両氏は記者団の前で握手を交わし、康氏が笑顔を見せる場面もあった。