新鋭・気鋭の作家に贈られる第36回織田作之助賞の最終候補作が25日、決まった。選考会は来月3日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社で行われる。
候補作は、彩瀬まるさんの「森があふれる」(河出書房新社)▽上田岳弘さんの「キュー」(新潮社)▽河﨑秋子さんの「土に贖(あがな)う」(集英社)▽窪美澄さんの「トリニティ」(新潮社)▽辻村深月(みづき)さんの「傲慢と善良」(朝日新聞出版)――の5作品。これまでに上田さんは芥川賞を、辻村さんは直木賞を受賞している。
審査委員は、作家のいしいしんじさん▽文芸評論家の重里徹也さん▽西洋史研究者の芝井敬司さん▽作家の高村薫さん▽文芸評論家の田中和生さん――の5人が務める。主催は織田作之助賞実行委員会(大阪市、大阪文学振興会、関西大学、パソナグループ、毎日新聞社)。【小玉沙織】
彩瀬まる(あやせ・まる)
1986年、千葉県生まれ。2010年、「花に眩(くら)む」で女による女のためのR―18文学賞読者賞を受賞しデビュー。16年に「やがて海へと届く」で野間文芸新人賞候補、17年に「くちなし」で直木賞候補、高校生直木賞受賞。他の著書に「不在」「珠玉」などがある。
上田岳弘(うえだ・たかひろ)
1979年、兵庫県生まれ。2013年に「太陽」で新潮新人賞を受賞しデビュー。15年、「私の恋人」で三島由紀夫賞を受賞。16年、「GRANTA」誌のBest of Young Japanese Novelistsに選出。18年、「塔と重力」で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。19年に「ニムロッド」で芥川龍之介賞を受賞。
河﨑秋子(かわさき・あきこ)
1979年、北海道生まれ。2012年に「東陬遺事(とうすういじ)」で北海道新聞文学賞を受賞。「颶風(ぐふう)の王」で14年に三浦綾子文学賞、16年にJRA賞馬事文化賞を受賞。19年、「肉弾」で大藪春彦賞を受賞。
窪美澄(くぼ・みすみ)
1965年、東京都生まれ。2009年、「ミクマリ」で「女による女のためのR―18文学賞」大賞受賞。11年に「ふがいない僕は空を見た」で山本周五郎賞、12年に「晴天の迷いクジラ」で山田風太郎賞受賞。他の著書に「よるのふくらみ」「じっと手を見る」「いるいないみらい」など。
辻村深月(つじむら・みづき)
1980年、山梨県生まれ。2004年に「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー。11年に「ツナグ」で第32回吉川英治文学新人賞、12年に「鍵のない夢を見る」で第147回直木賞、18年に「かがみの孤城」で第15回本屋大賞受賞。著書に「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」「島はぼくらと」「朝が来る」「東京會舘とわたし」「青空と逃げる」など。