フランシスコ・ローマ教皇は26日午前、東京都千代田区の上智大を訪問し、教職員や学生と交流した。キリスト教カトリックのトップである教皇として、38年ぶりに来日したフランシスコ教皇は、同大訪問後、羽田空港から帰国の途に就いた。
上智大で学生らを前に教皇は、4日間の滞在を「とても密度が濃かった」と振り返った。そして、日本について「より人間的で、思いやりと慈しみのある社会を作りたいという望みを感じる」と印象を語った。
また、学生に対し「良心に照らし、責任を持って最良の選択をするすべを学ばずに卒業してはならない」と、自覚を促した。
上智大は、1549年に日本へ初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルらが創設した修道会、イエズス会が設立母体。教皇は、同会出身者として初のローマ教皇だ。
1965年にイエズス会総長に就任したペドロ・アルペ神父は、広島の修練院長時代に原爆に遭遇した。教皇もアルペ神父から教えを受けた一人で、若い頃は日本で宣教する希望を抱いていた。
教皇は、大学の訪問記念として、隠れキリシタンが聖母マリア像の代用品にしたとされる「子安観音像」を受け取った。イベント後に会見した学校法人上智学院の佐久間勤理事長(67)は「世界に貢献する人を育てるという話に励ましを感じた」と語った。
日本滞在中、教皇は天皇陛下と会見したほか、安倍晋三首相とも会談。長崎、広島を訪問し「核なき世界」の実現や環境保護の推進、弱者に寄り添う寛容な社会の実現などを訴えた。【中西啓介】