三味線演奏を自動的に譜面化する自動採譜装置を開発し、難曲とされる「津軽じょんがら節」の譜面化(西洋楽譜と三味線譜)に成功した八戸工業大学大学院(青森県八戸市)の小坂谷壽一教授(67)が25日、同大の公開授業で研究成果を発表した。この装置で譜面化された西洋楽譜のピアノによる演奏が試みられ、津軽じょんがら節の調べが再現された。【塚本弘毅】
小坂谷教授は、自動採譜装置の研究に2009年から本格的に取り組んできた。特殊なエレクトリック三味線で入力してコンピューター処理する方法で採譜し、これまでに県内を含む東北の民謡約60曲を譜面化。津軽じょんがら節はテンポが速く、曲の作りが複雑なため採譜は難しいとされてきたが、人工知能の導入と、音の入出力や編集処理などの高速化で採譜の精度が上がり、譜面化が可能となった。
公開授業では同市のピアニスト、佐藤慎悟さん(38)が採譜された西洋楽譜で津軽じょんがら節をピアノ演奏した。同大3年の重文字樹さん(20)は「こういう機会がなかったので聞いてみて面白いと思った」と話した。佐藤さんは「三味線の曲をピアノで表現するのは難しいが、ピアノでできる(表現の)可能性が広がった」と語った。
小坂谷教授は「民謡などは大半が口伝だが、譜面化によって次の世代に残していける。今後は全国の民謡にも取り組んでいきたい」と抱負を述べた。