京都大付属病院(京都市左京区)に今月、脳卒中や周産期、移植などの高度医療に対応する集中治療室(ICU)を集約した「中病棟」が完成した。iPS細胞(人工多能性幹細胞)や創薬の治験を行う「次世代医療・iPS細胞治療研究センター棟」も併設し、11月末から順次稼働する。
中病棟は地下1階、地上8階建て(計301床)。ICUや新生児集中治療室(NICU)などの高機能病床(計90床)の他、婦人科▽循環器内科▽肝胆膵(すい)・移植外科▽心臓血管外科▽総合周産期母子医療センター――が入る。地階には放射線治療部門もある。
近年、京大病院では救急患者の受け入れが増え、ICUは現行の12床から、重症患者の受け入れ態勢を整えた「スーパーICU」60床に拡充した。このうち1床は重症やけど患者に特化してシャワールームを併設。他の病床でも受け入れ可能で、大規模火災や原子力事故にも対応する。
これとは別に、NICUを3床増の12床とした。
一方、「次世代医療・iPS細胞治療研究センター棟」は2020年4月以降に稼働する。これまでは一般病床で治験を行っていたが、今後はiPS細胞を用いた臨床研究が増えることを見込み、治験の説明やモニタリングなどに適した施設を整備した。病床も20床増の30床で、中病棟のICUとつながっており、治験中の不測の事態にも対応する。総工費は中病棟と合わせ約151億円になる。
記者会見した宮本享病院長は「大学病院は救急という広い基盤の上に高難度治療と研究・教育がある。若い医師の教育のためにも救急医療に力を入れていきたい」と話した。
京大病院は病院機能の強化や災害対応などのため、北病棟や中央診療棟の改修も進めている。【菅沼舞】