北九州市若松区のJR若松駅に隣接した久岐の浜広場で展示している蒸気機関車(SL)が、今年度で展示を終了することになった。石炭で栄えた若松の歴史を象徴する存在だったが、老朽化が進み、安全上の問題を指摘する声も上がっていた。北九州市は来月2~25日、SLを保存・利活用する人を募集し、無償譲渡する。希望者がいなければ撤去する方針。
SLは1917(大正6)年製の「9600形」で全長16・6メートル、高さ3・8メートル、幅2・6メートル、重量69・3トン。50年に旧国鉄若松機関区に配車され、73年3月まで筑豊本線で運行された。市によると、石炭の積み出し港として栄えた若松まで石炭を運んでいた。廃車後の73年10月に市に貸し出され、駅近くの白山1丁目公園に展示し、89年に現在の場所に移設された。
旧国鉄OBによるボランティア組織が車体の塗装などを続けていたが2006年にメンバーの高齢化で解散。現在は車体のさびが進み、穴も開くなど各所で傷みが激しい。市は周囲を柵(高さ約1メートル)で囲っているが子供が立ち入ることもあり、また同広場が花火大会会場として多くの人が集まるため、地元から展示終了を求める声が上がっていた。
市は募集要件として、来年3月31日までに移設可能な人▽費用は自己負担▽引き取った後も保存展示する▽売買や部品取り目的でないこと――を挙げる。区役所ホームページにも募集の詳細を掲載している。問い合わせは区役所まちづくり整備課(093・761・5326)。【松田栄二郎】