華々しい印象の芸能人だが、その「キャリア」に注目が集まりつつある。「俳優」、「モデル」、「タレント」といっても1人の「社会人」であることには間違いがない。一般的なサラリーマンであれば、「キャリア設計」を自分で描くことができる。辞めたいと思えば会社を辞めることができるし、転職もできる。しかし、こと芸能人に関しては、自由なキャリア設計が難しい。
SMAPの元メンバーや、俳優の「のん」さんの処遇を巡って、事務所が「干していた」などとして一部で話題になった。事務所による圧力は慣例的に行われていたことだともされており、真偽のほどはさておき昔からさまざまな噂が飛び交うテーマだ。
公正取引委員会は、こうした事態への対応策の検討を始めた。11月27日付の産経新聞報道によると、芸能事務所が退所後の活動を一定期間禁止する契約を芸能人と結ぶことが「独禁法違反」に該当するという見解をまとめた。退所後に数カ月、あるいは数年単位で芸能活動を禁止する事項を設ける事務所も多いという。強い立場にある事務所が力関係を利用して契約することが「優越的地位の乱用」になるという解釈だ。
(出所:芸能事務所退所後の活動禁止契約は独禁法違反 公取委見解)
引退後のセカンドキャリアを支援
公取委の見解は、芸能人としてキャリアを続けることに関するものだが、芸能人から一般企業への就職を後押しするサービスも出始めている。
キャスティングを手掛けるエイスリー(
東京都渋谷区)は12月、芸能人のセカンドキャリア構築をサポートするサービスを開始する。広報担当者によると、アスリートでは次のキャリアのあっせん体制がしっかりしているが、芸能人についてはなかなか構築されていなかったという。
ただ、数は少ないながらも一般職業へ転職する人は存在した。今後は芸能事務所と一般企業の両方にコネクションがあるキャスティング会社ならではの強みを生かし、サポートしていくという。具体的には、芸能界をやめた人からの応募や相談などに基づいて適性をチェック。希望する業界や職種に関する相談、ビジネスマナーやPCスキルの研修を通して就職を支援する。「転職エージェント」のようなイメージが近い。
「元芸能人には、厳しい上下関係で鍛えられた礼節やコミュニケーション能力、発信力に強みがある人が多い。自分では気が付かないような点も生かせるように後押ししていく」と担当者は話す。また、企業側も営業や広報といった知名度の高さが有利に作用する業種や、自社のブランディングにつながる人事部での採用に興味を示しているところは多いという。具体的な開始日時は明かさなかったが、12月以降、初年度に100人の転職をサポートすることを目標に掲げている。