成田国際空港会社(NAA)は28日、大規模な自然災害の発生を想定した新たな業務継続計画(BCP)を発表した。地震の場合は、発生から5時間以内に滑走路の運用を再開し、24時間以内に定期便の運航を再開する目標を設定。9月の台風15号の上陸で交通機関が止まって大勢の旅客が滞留した問題を踏まえ、適切な着陸制限の実施によって滞留者を減らす。食料の備蓄量を7・5倍にする対策も盛り込んだ。【中村宰和】
航空会社や鉄道、官公庁など空港関連の47事業者と連携し、空港全体のBCPを初めて策定した。
震度6強の地震が発生したときは、電力が供給されている場合は破損した滑走路を補修して5時間以内に運用を再開させ、避難のための出発機や救援機を飛ばせるようにする。電力供給が停止した場合は、非常用電源設備によって灯火や無線、管制機能を動かし、2本ある滑走路のうちA滑走路だけを72時間運用する。
成田空港は9月の台風15号で交通機関が止まって“陸の孤島”になり、旅客1万6900人が空港内に滞留した。10月の台風19号の接近時には着陸禁止の措置がとられ、滞留者は1790人と大幅に減ったものの大量の欠航や遅延が出て、帰国できない大勢の旅客は海外で足止めされた。計画には「滞留者の抑制を図りつつ、フライトの影響が少なくなるように適切な着陸制限時間を調整する」と記した。
また、大量の滞留者が発生する事態に備え、食料備蓄についても、災害発生から少なくとも3日間分を確保することとした。備蓄量はこれまでのクラッカー3万食から、ライスクッキー(1箱48グラム入り、約270キロカロリー)やアルファ米、パンなど計22万5000食と7・5倍にした。
NAAの田村明比古社長は28日の定例記者会見で「台風19号の際は滞留者を抑制できたが、(運航の)正常化に3日かかった」と話し、大勢の滞留者を出した台風15号接近時の対応を引き合いに「結果的にはどっちの方向にも少し不便をかけ、学ぶことは多かった。今後は改善した対応ができる。空港関連事業者と連携し、迅速かつ的確に対応し、災害に強い成田空港の形成を目指す」と説明した。