2020年度から始まる大学入学共通テストで予定されていた英語民間試験導入の見送り決定を受け、導入に反対の立場だった南風原(はえばら)朝和・東大元副学長が2日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。全国の国立大でつくる「国立大学協会」が17年11月に共通テストと民間試験の両方を必須とする方針を示し、各国立大が追随したことについて「公平性や公正性を懸念しながら本質的な議論をしなかった」と批判した。
テスト理論に詳しい南風原氏は、7種類の民間試験が導入され2回受験できることになっていた当初の制度についても「(同じ能力ならどの回のどの試験を受けても同じ成績が出るという)『標準化』ができているか懸念があった」と指摘した。共通テストでの国語と数学で記述式問題の導入に対しては、採点の精度の問題などから「必ず混乱する」と中止を訴えた。
南風原氏は2015~16年、入試改革のあり方を議論する文部科学省の有識者会議「高大接続システム改革会議」の委員を務めた。同会議は16年に大学入試での英語4技能評価の推進を打ち出したが、民間試験については「知見を活用」「各大学の判断で活用することも有効」との提言にとどめた。しかし、17年に文科省が示した実施方針には20年度からの民間試験活用が明記された。【成田有佳】