台風15号が直撃した首都圏では9日朝、JR東日本が山手線や東海道線など全ての在来線で始発から運転を見合わせた。再開は「午前8時ごろ」としていた当初見通しからずれ込んだ路線が多く、ダイヤは大幅に乱れ、通勤・通学の足に大きな影響が出た。
JR東によると、東海道線大船駅や武蔵野線西船橋駅、中央線武蔵小金井駅など入場が規制された駅も相次いだ。設備破損や倒木、飛来物などの被害が確認されて再開見込み時間が変更になった路線で、利用者らは長時間待機を余儀なくされた。
JR東海は東海道新幹線について、強風や飛来物の撤去作業の影響で、始発から一部区間で一時運転を見合わせ。午前7時40分に運転を再開したが、列車本数は削減された。JR東によると、東北や上越、北陸の各新幹線は平常通り運行した。
私鉄では、東急電鉄などが9日始発から全線で一時運転を見合わせた。東京メトロは有楽町線と東西線の一部区間で始発から運転を一時見合わせ、ダイヤが乱れた。
鉄道各社は台風15号が接近した8日、最終列車を繰り上げるなどの措置を取った。JR東海は東海道新幹線の上下線で計117本を運休。のぞみの最終列車は東京発下りが午後7時、上りは同4時40分の新大阪発となった。東急や小田急電鉄など私鉄各社も午後10時ごろに全線で運転を終了した。
日本航空と全日本空輸でも、羽田発着の便を中心に欠航が相次いだ。成田空港では9日、2本ある滑走路のうちB滑走路を午前9時ごろまで、A滑走路を同10時10分ごろまで閉鎖。国際線3便が中部空港や関西空港に行き先を変更したほか、国際・国内線の出発を中心に約20便が欠航した。
[時事通信社]