ゲーム依存 社会全体で危うさの認識を

ゲーム依存の怖さを認識し、予防や対処法を確立することが大切だ。
国立病院機構久里浜医療センターが、10~29歳を対象に調査した。
最近1年間にゲームをした約4400人に実情を尋ねたところ、平日のゲーム時間が1時間以上と答えた人は60%に上った。3時間以上は18%、6時間以上だった人も2・8%いた。
プレー時間が長いほど、生活に悪影響を及ぼす傾向がうかがえた。「学業成績の低下や仕事の能率低下」があったのは、1時間未満の人は5%だったのに対し、6時間以上の人は30%だった。
6時間以上と答えた人の4割は、頭痛や睡眠障害などを抱えてもゲームを続けたという。
多くの人は節度を持って、ゲームを楽しんでいる。問題は、のめり込み、心身に重大な影響が表れているケースである。
不登校で自室に何年もこもる。ゲームの利用料などに短期間で100万円を費やす。こうした事例も少なくないという。娯楽の域を超えているのは明らかだ。
世界保健機関(WHO)は5月、アルコールやギャンブル依存症と同様に、「ゲーム依存症」を疾病と位置づけた。ゲームの時間や頻度を制御できず、ゲーム中心の生活が1年以上にわたることなどを基準としている。
治療は、カウンセリングが中心となる。生活環境を変える。ゲーム以外に取り組める目標を見つける。治療には時間を要する。
ゲーム依存症に専門的に対応できる病院は現在、全国に40施設程度だ。今後、統一した治療指針の作成を急がねばならない。国と関連学会の連携が欠かせない。
依存症に関連する脳内の働きなどを調べて、効果的な治療法の開発に取り組む必要もある。
厚生労働省は来年度から、各地域で医師らを対象に行う飲酒や薬物、ギャンブル依存についての研修に、ゲームも含める。悩みを抱える本人や家族が相談できる態勢を充実させたい。
ゲーム依存増加の背景には、スマートフォンの普及がある。調査では、全体の8割がスマホでゲームをしたと答えた。
スマホは、時と場所を選ばず利用できる。スリルや臨場感に満ち、刺激が強いゲームも少なくない。子供たちが、夢中になりやすい特性があると言える。依存症の危険性を学校現場などで教えていくことが求められる。
ゲーム依存を社会全体の問題として捉え、対策を講じたい。