2014年7月、北九州市八幡西区折尾のマンション駐車場で帰宅中の会社員の女性=事件当時(48)=が刺されて負傷した事件で、福岡県警は特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)の幹部らが関与した疑いが強まったとして、傷害容疑で、工藤会最高幹部ら数人を近く逮捕する方針を固めたことが、複数の関係者への取材で分かった。女性は、元組合長が殺害された北九州市漁協の幹部の知人。県警は、工藤会が組織的に女性を襲撃した疑いがあるとみている。
事件は14年7月25日夜に発生。マンション駐車場に車を止めて降りてきた女性が、待ち伏せしていた男2人に肩と腰を刃物で刺され、軽傷を負った。現場から白い車で逃走する2人組が目撃されていた。今年2月、犯行に使われたとみられる車を盗んだなどとして窃盗罪で工藤会系組長(57)らが起訴されている。
市漁協幹部の父親は、同市若松区の地元漁協組合長だった1998年2月に射殺され、工藤会系組長2人が殺人罪で実刑判決を受けた。13年12月には、幹部の叔父で市漁協組合長の男性が射殺され、未解決のままとなっている。
14年5月にも、幹部の息子の歯科医師が脚などを刺される殺人未遂事件が起き、事件後、幹部には「家族全員を殺す」との脅迫文が届いたという。
98年の殺人事件と14年の殺人未遂事件を巡っては、工藤会トップで総裁の野村悟被告(73)と、ナンバー2の会長田上不美夫被告(63)が関与したとして、殺人罪などで起訴され、福岡地裁で公判中。県警は、漁協関係者を狙った一連の事件との関連を詳しく調べる。