花粉症の共同研究巡る汚職 クリーナー宣伝目的か 販売会社側から300万円

大阪府岸和田市の市立岸和田市民病院の共同研究を巡る贈収賄事件で、医師に20万円を渡したとして贈賄容疑で逮捕された一般社団法人代表の男が、研究対象の製品の販売会社から約300万円の業務委託費を受け取っていたことが、捜査関係者への取材で判明した。研究はこの製品による花粉症の緩和効果を調べる内容で、府警は研究成果を基に製品を宣伝するため男が医師に共同研究を持ちかけたとみて調べている。
府警は5日、病院を家宅捜索した。呼吸器センター長で医師の加藤元一容疑者(62)は今年4月、共同研究に関する院内手続きが円滑に進むよう便宜を図った見返りに、東京都豊島区の「医療健康資源開発研究所」代表理事、小嶋純容疑者(63)から20万円を受け取ったとして、4日に収賄容疑で逮捕された。
病院によると、研究は、粘着テープのロールを転がして衣服の花粉を取り除くクリーナーを用いた際の効果を検証する内容。加藤容疑者が3月、病院の倫理委員会に申請し、承認された。研究費は小嶋容疑者の法人が負担し、加藤容疑者らが臨床研究を実施した。
捜査関係者によると、小嶋容疑者はこのクリーナーを製造・販売する東京都内の会社との間で年間50万円のコンサルタント契約を締結。さらに、この会社が開発した花粉症対策のクリーナーの効果を検証する目的で、約300万円の委託費を受け取っていたという。
加藤容疑者は、旧知の小嶋容疑者から共同研究を持ちかけられ、病院の倫理委員会で承認されやすいように計画書作成を手伝うなどしたという。会社側は委託費などの詳しい使途は認識しておらず贈収賄には関与していなかったとみられる。【藤河匠、加藤栄、鶴見泰寿】