愛知県警でW不倫がドロ沼化。職場不倫で別れる時モメると大変なことに…

夏に話題になった高知県警での3股不倫に続き、愛知県警のダブル不倫が巷を賑わせているようです。

『週刊ポスト』(2019年12月13日号)が報じた情報をもとに、夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)

◆別れるくらいなら…と女性が夫や職場にバラし泥沼へ

愛知県警が「不倫」で揺れている。女性のA巡査長と年上のB警部補の不倫が原因だ。お互いに家庭があり、A巡査長の夫も警察官だという。

10ヶ月ほどつきあったところでB警部補が別れを切り出し、ここからドロ沼が始まった。

A巡査長は別れるくらいなら、夫や職場にバラすと言い、実際にバラしてしまった。それどころか自分とB警部補がベッドにいる写真まで証拠として提出した。夫は妻であるA巡査長を殴って書類送検されたが不起訴。

今度はB警部補がA巡査長に「不倫をバラす」と脅迫を受けたとして、県警に被害届を提出。

すると今度はA巡査長の夫が、B警部補に損害賠償を求めて提訴。民事と刑事の訴状が飛び交う壮絶な状態になった。

B警部補は、来年にも交番勤務になる見通しだと本人が述べている。一方で、A巡査長は異動もなく、脅迫行為も問題視されていないとB警部補は言う。彼は処分に差があり、警察組織において男性により厳しいと憤っている。(『週刊ポスト』2019年12月13日号より)

一般世論からみると「不倫」においては、女性に厳しいイメージがある。ただ、組織の「出世」という観点からみれば男性に不利になることもありそうだ。

◆既婚男性と3年不倫のち「ゴミみたいに捨てられた」

これに似た経験をしたのは、カナさん(35歳)だ。20代のころ、社内の既婚男性と不倫をしていたが、一方的に「もう会わない」と言われたことで非常に傷ついたという。

「離婚するから一緒になってほしい。離婚が決まっているのだからこれは不倫じゃないと口説かれたんです。私も彼のことが好きだったから、つい……。3年ほどつきあって私が30歳近くなったところでいきなりゴミみたいに捨てられた。どうしても許せなかったんです」

彼女は自分の上司を始め、会社のメールアドレスにすべてを暴露、彼の妻にも手紙で知らせた。

「実は私、中絶もしたんです。彼が今回だけはあきらめてほしい、次は絶対に結婚して産んでもらうからって言ったので。そのころつけていた日記に彼の言葉が書いてあります。それも証拠として会社に提出しました」

プライバシーをさらけ出して、彼女は彼を糾弾した。

「このままいったら、彼は出世街道に乗り、私は彼と顔を合わせるのがイヤになって退職せざるを得なくなる。そんな危機感もありました。彼のほうが厳しい社会的制裁を受けるべきだ、私だけが損するのはイヤだ、そういう意識もあったと思います」

職場内の恋愛であっても、相手により重い罰を受けてほしい。彼女が独身だったからよけいそうなのかもしれないが、これがダブル不倫であっても、思いは変わらないだろう。

結局、カナさんの捨て身の暴露を重く受け止めた会社側は、彼を左遷させた。それまでには何度もカナさんと彼、別々に上司や人事部から聴取されたそうだ。

「彼は、私にも別につきあっている男がいたとか、誰とでも関係をもつ女性だとか、事実無根なことばかり言い続けた。彼の妻から訴えられもしました。

でも私は屈しなかった。彼が『カナと一緒になる、絶対になる』と送ってきたメッセージも証拠として提出したんです。彼は夫婦関係は破綻していると豪語していましたから、私が略奪しようとしていたという妻の訴えは当たらないですよね」

◆彼の左遷を見届けて自分も辞職

カナさんはもちろん社内で好奇の目で見られた。同僚から無視されたり、それまで仲のよかった先輩に、「既婚者とつきあうなんて最低」と言われたりもした。だが、わかってくれる人もいたという。

「先輩のひとりが、本当に好きな人にひどい捨てられ方をしたら恨みたくなるわよね、わかるって言ってくれて。

私はこういう関係の場合、男だけが悪いと言いたいわけじゃないんです。私のケースでは、彼のほうがひどいんじゃないの、ということです」

最終的に、彼は出世街道からはずれ、遠方の営業所に転勤となった。単身赴任だという。そこまで見届けて彼女は会社を辞めた。

「会社からは辞めなくてもいいと言われたんですが、騒ぎになったのは私の責任。だから辞めたんです。いづらくなったことが理由ではありません」

今になってみると、「若かったな」と思う面もあると彼女は言う。当時は彼の身勝手な言い分に激昂し、自分の尊厳が傷つけられたと感じたのだが、自分の恋愛感情を「ぶった切られた」ことが何よりつらかった。それを消化するためには彼を傷つけるという反論に出るしかなかったのだ。

傷つけ合うことでしか終われなかった恋愛は,少し哀しい。

<文/亀山早苗>