福岡を拠点に活動する6人組アイドルグループ「ばってん少女隊」が7日、福岡刑務所(福岡県宇美町)で始まった「第30回福岡矯正展」で一日刑務所長を務めた。同刑務所が一日所長を委嘱するのは初めて。メンバーは「刑務所のイメージが変わり、自分の視野も広がった。これを機に社会の仕組みについてもっと学んでいけたら」と意気込みを語った。
ばってん少女隊は2015年に結成し、人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ(ももクロ)」と同じ事務所「スターダストプロモーション」に所属。ももクロの「妹分」として「ばっしょー」の愛称で知られる。全員が九州・山口県在住で、16年からは福岡県宗像市の観光大使も務める。メンバーの春乃きいなさん(18)は大学受験に向けた勉強に専念するため、今年9月から活動を一時休止している。
矯正展が開かれた福岡刑務所は7日現在、受刑者ら1146人を収容し、大半の約9割が金属や木工を中心とした刑務作業に当たる。矯正展は、社会復帰に向けた矯正への理解を深めようと、受刑者が手がけた製品約600品目計約7000点を展示販売。この日は春乃さんを除く5人が、同刑務所の本田宏所長から「一日刑務所長」の委嘱状を受けた。
刑務官で最も高い「矯正監」の階級章をつけた制服を羽織ったメンバーは、ファンの前で「私たちは、一日刑務所長のばってん少女隊だー!」と元気いっぱいに自己紹介。展示販売されている刑務所作業製品を見学したメンバーは「かわいい」「庭に置きたい」などと語った。来場者と共に施設内見学ツアーに参加した際には、真剣な表情で担当者の説明に耳を傾け、質問をするなどしていた。
ライブも2ステージが用意され、人気曲「おっしょい!」など計12曲を披露して会場を盛り上げた。ライブでのトークで、メンバーの瀬田さくらさん(17)は「刑務所は暗いイメージだったが、見学すると中は学校みたいで、お友達が作れそう」と来場者の笑いを誘ったが「一緒に更生しよう、という仲間です」と続けて説明し、拍手を受けていた。
福岡矯正展は8日も開かれ、午前9時半~午後3時半。入場無料。ばってん少女隊は8日は登場しない。【成松秋穂】
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一日刑務所長を務めた、ばってん少女隊のメンバーは7日、毎日新聞の取材に、以下の通り感想を語った。
■希山(きやま)愛さん(19) 展示販売されている製品を見ると、刑務所ごとに違う物を作っていて、すごいと思いました。刑務所は想像以上に広くて立派な建物で、初めて入って「こういう世界があるんだ」と知りました。(一日警察署長、消防署長などに任命される機会があれば)訓練とかしてみたいです。
■上田理子さん(19) 「一日警察署長」は聞いたことがあっても「一日刑務所長」はなかったので、何をするのかドキドキしていました。私たちの知らないところで、刑務所で作られた製品がたくさん使われていると感じました。
■瀬田さくらさん(17) 制服を着ている方々(本物の刑務官)の姿勢がピシッとしていてかっこよく、自分たちも一日刑務所長としてピシッと頑張りたいと思いました。
■西垣有彩(ありさ)さん(17) 刑務所は社会復帰に向けて仕事ができる環境だと感じました。(受刑者の)ご飯が思ったより量が多かったです。
■星野蒼良(そら)さん(16) 刑務所に入っている間に、どういうことをしているのかという疑問が解消されましたし、受刑者の食事も受刑者が作っていることに、びっくりしました。刑務官の制服を着て大人になった気分で、ファンの人にも「似合う」と言ってもらえました。