ビキニ原告団代表・増本和馬さん死去 83歳 病身押し法廷出席

1954年に米国が太平洋・ビキニ環礁で実施した水爆実験を巡り、当時周辺海域で操業していた元船員や遺族らが慰謝料などを求めた国賠訴訟の原告団代表、増本和馬さん(83)=高知市=が5日、亡くなった。原告の元船員として唯一、全ての法廷に出席し、一日も早い救済を求めてきた。控訴審判決は12日に高松高裁で言い渡される予定で、判決直前の訃報に関係者は悲しみに暮れた。
増本さんは17歳からマグロ漁船「ひめ丸」で機関員見習いとして勤務。54年春にはビキニ環礁付近で操業していた。裁判では欠かさず原告席に座り続け、今年6月にあった控訴審の本人尋問では「今のままでは私たちは棄民された状態だ」と強く訴えていた。
8月にステージ4の胆管がんと診断され、肺などへの転移も見つかった。それでも翌月、法廷に赴いていた。
支援団体「太平洋核被災支援センター」の山下正寿事務局長(74)は「車椅子でも判決に行きたいと言っていただけに残念だろう」とその死を悼んだ。【松原由佳】