アサヒビール、大日本印刷、FULLLIFEの3社は12月9日、新開発の溶けにくい果汁氷を入れたビアカクテル「BEER DROPS」を飲食店に展開すると発表した。20~30代女性を主なターゲットに、若年層に向けたビールの新しい需要創造を図る。アサヒビールの取り扱い飲食店にメニュー提案し、2020年6月までに200店舗への導入を目指す。
普通の果汁氷より6倍長持ち
BEER DROPSは、FULLLIFEが独自の特許技術などを活用して製造する溶けにくい果汁氷「アイスボーール」(商標申請中)をビールに入れたカクテル。溶けにくい氷によってビールの冷たさが継続するとともに、フルーツの味わいや色がビールの中で少しずつ広がっていく新感覚のお酒だという。
アイスボーールには、化学添加物を使用していない天然物のイチゴポリフェノールを配合。それによって氷の保形性を高めている。果汁を凍らせただけの氷と比べて、約6倍の時間、溶け切らずに球状を保ち続けるという。ビールに混ぜてビアカクテルにするだけでなく、そのままデザートとしても食べられる。
19年8月以降、アサヒグループの外食事業を担うアサヒフードクリエイト直営の2店舗と、都内の飲食店2店舗でBEER DROPSのテスト販売を始めた。現在は、スイカ、ピーチ、パインの氷を入れた「BEER DROPS RED」と、キウイ、レモン、パインの氷を入れた「BEER DROPS GREEN」、さらに期間限定のフレーバーを展開している。
テスト販売では、導入後にカクテルの売り上げが2割増加した店舗もあった。特に若い女性客から「見た目のかわいらしさや、ゆっくりと飲む楽しみ方が好評」(広報担当者)だという。
協業のきっかけはシェアオフィス
今回の協業は、19年5月、大日本印刷とアサヒビールの担当者がシェアオフィス「WeWork」で出会ったことがきっかけだったという。
大日本印刷は、多様なパートナーと組んで新規事業創出を目指す部署を18年10月に新設。独自の技術をもつFULLLIFEと共に、その技術を生かす事業を模索し、アイスボーールを使ったビアカクテルのアイデアを温めていた。
アサヒビールは、縮小傾向にあるビール市場の活性化のため、特に若年層の取り込みを課題に掲げている。瓶から直接飲用するスタイルの「アサヒスーパードライ ザ・クール」を発売するなど、ビールの新しい飲み方を発信する取り組みを実施。また、従来の発想にとらわれずに新しい事業などを検討する取り組みの一環として、19年3月からWeWorkの利用を始めていた。
そして、3社で協議を重ねた上で協業が実現。今後は、大日本印刷が企画全般、アイスボーールの商社機能、FULLLIFEへの事業サポートを担い、アサヒビールはレシピと提供方法の開発、販売先の提供、開発の助言、飲食店への提案活動を実施する。アイスボーールの開発・製造は引き続きFULLLIFEが行う。