「いつか元の姿に…」 首里城、立ち入り区域拡大 焼け崩れた様子間近に

10月31日の火災で正殿などが焼失した那覇市の首里城で、火災後立ち入りが禁止されていた区域の一部が12日、開放された。正殿や北殿、南殿があった中心部エリアの手前まで入ることができる。観光客や修学旅行生らは焼け跡を眺め、沈痛な表情を浮かべていた。
首里城公園を指定管理する沖縄美(ちゅ)ら島財団は、安全が確保できた区域から順次立ち入り制限を解除している。12日からは城郭内4・7ヘクタールのうち2・6ヘクタールが開放され、城郭外を含めた公園全体(11・9ヘクタール)のうち8割で見学が可能になった。
一方、城郭内の中心部エリア2・1ヘクタールでは消防の実況見分が続き、がれきの撤去も進んでいないため、当面は立ち入りできない。
この日から入れるようになった中心部エリア手前の下之(しちゃぬ)御庭(うなー)から奉神門(ほうしんもん)の屋根の一部が焼け落ちた状況が見えるほか、近くでは北殿の赤瓦が焼けて崩れている様子も間近に見ることができる。
正殿などが復元された頃に琉球大で歴史を学んだという埼玉県所沢市の団体職員、松本亜紀さん(44)は「人生の思い出の場所だったので、言葉も出ない。ただ、これも首里城。またいつか、元の姿が戻ってほしい」と涙を浮かべていた。観光で訪れた神戸市西区の会社員、坂本徹也さん(49)は「赤い首里城がきれいで、沖縄に来るたびに来ていた。ショックです」と話した。
首里城の復元に向けて、政府は11日に防火対策の強化などを柱とする基本方針を公表。年度内を目標に復元の工程表をまとめるとしており、技術的な検討を進める有識者会議を近く開催する予定だ。【遠藤孝康】