各地に甚大な被害をもたらした台風19号の上陸から12日で2カ月がたった。被災した校舎や学校のグラウンドはまだ復旧せず、今も7県の公立小中高校9校が周辺の学校などを「間借り」せざるを得ない状態だ。
「通学は大変だけど、中学のパソコンが使えたりして楽しい」。福島県の郡山市立赤木小学校6年、宮下希(のぞみ)さん(11)は12日、授業を受けている市立郡山第五中学校の教室で笑顔を見せた。教室には「困ったことがあれば何でも聞いて」などと書かれた同中生徒のメッセージも張り出されている。
阿武隈川などが氾濫した郡山市では、校舎が床上浸水した市立小2校(児童数計573人)が、近くの学校の空き教室に分散して授業を続けている。このうち赤木小では児童が7台のスクールバスに分乗し、四つの小中学校に通学している。自校で全学年の授業が再開できるのは23日の予定だ。
宮城県丸森町の町立金山小も豪雨で校舎の1階部分まで浸水した。一時は災害廃棄物の仮置き場としても使われ、校庭を埋め尽くすほどのごみが積まれた。ごみの搬出作業は11月下旬に終わったものの、校舎の消毒や床の修繕が必要で、使用再開のめどは立っていない。全校児童28人は、約4キロ離れた間借り先の小学校まで送迎バスで登下校する毎日だ。高橋章友教頭(49)は「子どもたちがこれまでと同じような学校生活を送れるようにしたい」と話す。
文部科学省によると、校舎やグラウンドを間借りしている公立学校は12日現在、東北以外に栃木、群馬、埼玉、神奈川、長野の5県にある。内訳は小学校6校、中学校1校、高校2校となっている。【笹子靖、藤田花】