大塚家具がヤマダ電機傘下へ “買収”直前に久美子社長が送ったメールの中身

あるテレビ関係者に、こんなタイトルのメールが送られてきたのは11月下旬のこと。メールの送り主は、大塚久美子社長(51)だった。
大手家電量販店のヤマダ電機が大塚家具を43億7400万円で子会社化すると発表。事実上、ヤマダに“買収”されることになったのは12月12日。同日、都内で会見に臨んだ久美子社長は、今回の提携について、
「家電、家具を超え、新しい暮らしを提案します。暮らしをトータルに提案するゴールは同じ」
などと前向きに語っていたが、その表情は終始暗かったという。
今回、久美子社長のメールを独占入手した。そのメールには、こう綴られていたーー。
「以前、何度かお会いしたことがある程度で、個人的にメールが送られてくるような間柄ではありませんでした。それなのに社長直々にメールが来たので驚いた。ただ、内容を読むと、年末のセールに来てくれ、というもの。業績が悪いのは知っていましたが、社長が個人名でメールを送るなんて、よほど切羽詰まっている状況なんだろうなと思いました」(前出・テレビ関係者)
経済部デスクはこう話す。
「大塚家具とヤマダ電機は今年の2月から業務提携をしており、その状況をみて、今回の子会社化が決まった。会見で、ヤマダ電機の山田昇会長は『大塚家具の商品は粗利が高く、売り上げを少し伸ばせば黒字化は達成できる』などと語っていました。これは裏を返せば、久美子社長はここ数年の間で、“少しの売上”も伸ばせなかったことへのけん制ともとれる。

山田会長は、第三者割当増資で引き受けた約43億円を『3年くらいで回収できれば』とも語っており、いかに久美子社長の経営手腕がお粗末かというのを世間に印象付ける会見でした」
久美子氏が父・大塚勝久社長(当時)に代わって、代表取締役社長に就任したのは、2009年のこと。
「ちょうど創業40年を迎えた年でした。ところが、会長に就任した父と経営方針で対立し、2014年には社長を解任されてしまった。久美子氏がしたたかなのは、解任劇の数か月前から、社長復活に向けて周到な用意をしていたことでした」(経済誌記者)
大塚家には兄弟姉妹の資産管理会社『ききょう企画』という会社があり、同社は大塚家具の株の10パーセント弱を握る大株主。久美子氏は、父親側につく『ききょう企画』取締役の長男や、監査役の母親を解任するなどして、社長復活に向けた土台作りを水面下で進めていた。そして翌年、大塚家具の取締役会で、再び社長に返り咲いた。
「その後も、父娘の“お家騒動”は尾を引き、2016年には会社を追われた父親が家具製造販売会社『匠大塚』を開業。大塚家具で最も大型の店舗がある埼玉県春日部市内に出店するなど、対立は激化していました」(同前)
その久美子社長率いる新生・大塚家具は、「本格的に海外に出ていく」とぶち上げたかと思えば、インターネット販売に投資するとも表明。かつても高級路線から中級路線にシフトし、気軽に立ち寄れる店舗へ舵を切るなど、さまざまな試みをしてきた。

ところが経営は悪化の一途をたどり、先月14日に発表された第三四半期の決算では、純損益が30億6200万円の赤字。売上高は5年連続の減収、営業赤字は6年連続という悲惨な状況が明らかになった。
「社長は、決算が発表されると、これまで以上にピリピリしたオーラを出していて、周囲も話しかけにくかった」(同社社員)
といい、決算が発表された後、冒頭のメールを関係者に送信していたのだ。
メールは、こんな風に締めくくられており、“ファミリーセールの案内状”の「担当者欄」には、久美子社長の名前が記されていた。
久美子社長は、会見で「引き続き全力を尽くしていきたい」と社長続投の意向を表明した。しかし、経営者としての前途は多難だ。
(須賀 マイク)