沖縄の高校生ら20人芋づる逮捕 “大麻密売人町議”表と裏の顔

「この宇美町の政治を健全にして次の世代にバトンタッチする。これが私の使命であります」

こう力説していた元町議は、実は大麻の密売人だった。福岡県宇美町の元町議、時任裕史容疑者(42=同県太宰府市)が、在沖縄米海兵隊軍属の男(39)に大麻を密売したとして、10月24日、大麻取締法違反(営利目的譲渡など)の疑いで沖縄県警に逮捕されていたことが分かった。他にも沖縄の米軍属3人と高校生ら10代の少年3人を含む計19人が摘発された。

時任容疑者は町議だった今年7月、無職の靏英樹容疑者(46=福岡県筑紫野市)から大麻を手に入れ、軍属の男に2回、大麻約100グラムを宅配便で送り、レターパックで代金を受け取っていた。2017年ごろから密売に手を染め、靏容疑者が栽培した大麻を大量に仕入れていた。時任容疑者から送られてきた大麻をバイヤーの軍属の男が軍の仲間に密売し、男の10代の息子が高校生を含む少年らに売りさばいていた。軍属の親子は、時任容疑者を通じて大麻草の種も入手し、自宅で栽培していた。

今年4~6月、沖縄本島に住む女子高生が自宅で大麻を所持していたとして現行犯逮捕されるなど、沖縄在住の高校生を含む未成年者17人が検挙された。これをきっかけに、密売人の時任容疑者と供給元の靏容疑者までたどり着いた。時任容疑者は逮捕後、町議会に辞職届を郵送し、11月18日付で辞職した。

■大宰府の山あいでそば屋を共同経営

時任容疑者はかつて沖縄で飲食店を経営していて、その時に軍属の男と知り合った。その後、数年前に太宰府市に移り住み、山あいに立つ古民家を借りて、8歳年上の男性と共同で十割そばの店を経営。太宰府から沖縄にブツを送っていた。

「店は『縁結びの神様』として信仰されている宝満宮竈門神社のすぐそばにあり、ここ数年、女性の参拝客が非常に増えてます。福岡県で一番登山者が多い宝満山の登山口が近くにあるため、たくさんの人が訪れている。観光客の増加にともない、(時任容疑者が経営する)そば屋もお客さんが増えていたそうです。女性が集まってヨガ教室なんかもしていました。町にはイタリアンや地鶏専門店、ドッグカフェなどが次々にでき、30代くらいの若い経営者が多いので、活気があります」(近隣住民)

時任容疑者は14年の町議選で初当選。昨年2月、551票を獲得し、再選した。町民に「輝く希望の光をもって、次世代を担っていくように子供たちを育てていこうではありませんか」と演説。

今年6月の町議会では、「町民の健康を守るために町独自の規制を進めてはどうか」と提案していたが、大麻汚染の元凶が、よくそんなことを口にできたものだ。