「離さへん!」再現 朝ドラ「スカーレット」舞台で松下洸平さんトークショー

滋賀県甲賀市信楽(しがらき)町を舞台にしたNHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」で、十代田(そよだ)八郎役を務める松下洸平(こうへい)さん(32)が14日、同市水口町水口のあいこうか市民ホールで開かれた「スカーレット」のトークショーに登場した。県内外から訪れた約600人を前に松下さんは「これからもいろんなことが起きます。一筋縄ではいかないスカーレットの世界に入って、引き続き楽しんでもらえれば」と語った。
9月に放送が始まった「スカーレット」は、信楽で陶芸の世界へ飛び込む女性・川原喜美子の波瀾(はらん)万丈の人生を描く作品。第8週から登場した八郎は、喜美子の陶芸と人生に大きな影響を与える若い陶工で、その素朴な魅力にはまって抜け出せないことを表す「八郎沼」という言葉も視聴者の間で生まれ話題を呼んでいる。
トークショーは番組のダイジェスト映像を交えながら進行。初登場シーンを緊張の面持ちで撮影する松下さんについて、喜美子役の戸田恵梨香さんが「すっごい爽やかですね」と話したことを制作統括の内田ゆきさんが明かすと、松下さんは「え!」と驚き「僕が聞いたのは『やっと薄い顔来たやん』だった。良かった」と会場の笑いを誘った。
東京出身で、芸人の語りを聞き込んで練習したという関西弁については「標準語では恥ずかしくて言えないセリフも言える威力がある」とし、劇中のセリフ「離さへん!」を再現。会場は「八郎沼」状態になっていた。

高校時代に美術科で油絵を専攻し、陶芸も体験したことがあったという松下さんは、撮影に入る前から約3カ月間陶芸のレッスンを受け、現在も撮影の合間を見つけては練習を重ねているという。陶芸指導をする県信楽窯業技術試験場の高畑宏亮(ひろあき)さんは「ここまで陶芸にのめり込んでくれる俳優は初めて。信楽にアトリエを作って」と映像でコメントを寄せた。
松下さんは、撮影前の今年3月、映画の撮影で訪れた彦根市から信楽高原鉄道などを乗り継いで信楽焼の窯元を訪れたエピソードにも触れ「とても親切に陶芸のことを教えてもらった」と感謝の気持ちを表した。
イベント後、松下さんは記者団に「僕も大好きな信楽に一人でも多くの人に来てもらい、活気づくよう『スカーレット』を通してお役に立てれば」と話した。
トークショーに参加するため初めて滋賀県を訪れた埼玉県久喜市の会社員、岸誠子さん(36)は「改めてロケ地巡りをしたいし、(作中にも描かれた信楽の恒例行事)火まつりにも行きたい。出演者がゲストで来てくれたらうれしい」と話した。【成松秋穂】