「やまゆり園」 県の管理者変更方針に利用者が反発 「みんなと一緒にいたい」

神奈川県の黒岩祐治知事は14日、入所者ら45人が殺傷された相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の再生事業を巡り、仮移転先の芹が谷園舎(横浜市港南区)で利用者らとの説明会を開いた。園を運営する指定管理者を変更する県の方針に理解を求めようとしたが、利用者側に容認論はほとんどなく、知事は県議会に続くハードルに直面した。【木下翔太郎】
説明会には利用者約60人、家族約80人、園職員30人の計約170人が参加。予定の30分を超えて1時間近くに及んだ。
黒岩知事は冒頭、2024年度まで社会福祉法人「かながわ共同会」が指定管理者を務める従来の方針を撤回し、新たに公募することを突然表明した経緯について「ご心配をおかけして申し訳ない」と陳謝した。
そのうえで、かながわ共同会の理事で別の障害者福祉施設「愛名やまゆり園」の園長だった男が10月に逮捕された▽それ以降、共同会に関するマイナス情報が県に寄せられている▽来年1月に始まる殺傷事件の裁判でその情報が明らかになる前に対応する必要がある――ことを挙げ、方針転換に理解を求めた。
黒岩知事はさらに、園からほかのグループホームに移った3人の利用者が生き生きとしていたことを紹介し、園の運営を「仕切り直したい」とも述べた。
これに対し、出席者からは異論が相次いだ。ある利用者は「職員や利用者、みんなと一緒にいたい」と要望。家族が入所している男性は「まず知事と家族が直接話す時間を作るべきだ。政策決定してから丁寧な説明をするのは違う」と批判した。別の男性は「利用者や家族は、実際に支援してくれる人がどんな人でなければいけないか身にしみて分かっている。(知事の決断は)残念だ」と述べた。
「職員の献身的な努力に感謝している。これからも共同会の支援を受けたい」という意見に大きな拍手が起こる場面もあった。
黒岩知事は「みなさんが不安に思うことは絶対にないようにする」と引き取ったが、隔たりは大きいままだ。会合後、知事は「今日で終わるとは思っていない。理解いただけるようこれからも説明を果たしたい」と記者団に語った。