活発な火山活動が続く小笠原諸島の西之島では、噴火が始まった今月5日に比べて周辺温度が上昇しており、海上保安庁の観測に同行した東京工業大学の専門家は「マグマの供給量が多く、2017年4月の活動を上回る可能性が高い」と指摘している。
海保は今月15日正午から午後1時にかけて上空から西之島を観測し、火山噴出物が堆積してできた火砕丘の北側山腹にできた新たな火口から溶岩流が北西側の海岸に流れ込んでいるのを確認した。
山頂の中央火口では、毎秒~数秒に1回の間隔で爆発的噴火が発生していて、赤熱した溶岩の塊が飛び散り、灰色の噴煙と噴石が火口上空300メートルまで噴出していたほか、東側の火口でも断続的な噴火と溶岩の流出が続いていたという。
気象衛星ひまわりの観測によると、噴火が再開した今月5日に比べて、島周辺の高温領域の温度がやや上昇している。
西之島の火山活動を数年にわたり観測している東工大理学院火山流体研究センターの野上健治教授は「標高が高い中央火口内まで新たなマグマが供給され続けている」と述べて、2017年4月20日から同年8月11日まで続いた噴火活動と同程度か、それ以上になる可能性が高いという見解を示している。
これを受けて気象庁は15日、火口周辺警報と海上警報を発表し、警戒が必要な範囲を山頂火口から約2.5キロに拡大し、付近を航行する船舶に対して噴石や溶岩流に警戒するよう呼びかけた。
西之島は2013年11月に39年ぶりに火山活動を開始し、およそ2年にわたり噴火が続いて新島を形成し、面積が拡大。その後も2017年、2018年と噴火を起こしている。今年5月に完成した最新の地形図と海図では、標高160m、面積2.89平方kmに成長し、領海と日本の排他的経済水域(EEZ)が約50平方km拡大していた。