大阪市の水道工事不正 第三者委「組織責任は重大」 職員特定できず市の責任は不問へ

大阪市発注の上下水道工事を巡り、施工業者が指定された資材を使わず不正な利益を得ていた問題で、市職員の関与の有無などを調べていた市の第三者委員会は19日、調査結果を発表した。発注した水道局、建設局の職員が関与した具体的証拠は示せなかったが、聞き取りなどを根拠に「不正を放置した可能性は相当程度認められる」「問題の認識から2年以上何ら対処せず、組織としての責任は重大」などと指摘し、市の姿勢を批判した。
両局は「職員の特定ができていない」などとして処分は見送る方針で、市の責任は不問となりそうだ。
また、専門用語や事実関係の確認のため、弁護士らで作る第三者委が報告書案の閲覧を認めたところ、建設局が内容に「違和感を感じる」などと修正を求めていたことも分かった。第三者委は修正には応じず、「見解の修正を求めるのは不適切。組織防衛を図ろうとする傾向が認められるのは明らか」と報告書に異例の追記をした。
上下水道工事では、施工業者が伝票を偽造するなどして、市が指定した資材を使わない不正が横行。上水道工事では記録が残る2012年度以降に完成した1175件中9割超の1082件、下水道工事では対象工事269件中、5割超の149件で不正が確認されており、業者への賠償請求額は計約7億円に上る。
第三者委は昨年5月から両局の退職者も含む計約1340人と、施工業者計約480社にアンケートし、ヒアリングも一部で実施。職員の中には「(適切な資材ではないと)不審に思ったが、指摘しなかった」などの回答があった。調査を担当した山形康郎弁護士は「報告書に修正を求めてくることは通常はない」と批判。建設局側は「調査を受けているという立場を理解していなかった」などと釈明した。
ある業者の男性は「施工業者は指名停止や損害賠償の処分を受けているのに、市の職員が誰も処分されないのはありえない」と話した。【遠藤浩二】