大阪府寝屋川市の大阪病院で2年前、入浴中の事故死を疑われた入院患者の死因が肺結核として処理された問題で、死亡診断書を書いた当直医は、男性が風呂場で意識のない心肺停止の状態になったことについて、男性の死亡前日に看護師から報告されていたことが判明した。事故死が疑われる情報を事前に得ていたことになり、不正な死亡診断の実態が一層鮮明になった。
病院側は当初、毎日新聞の取材に「当直医は看護師から肺結核患者と聞いただけで、病死と判断してしまった」と説明していた。
入院中だった堂園輝雄さん(当時72歳、大阪府枚方市)は2017年10月13日、結核病棟浴室の浴槽内で心肺停止の状態で見つかった。堂園さんは翌14日早朝に亡くなり、当直医が遺体を詳しく調べる検案などをせず、死因を肺結核と判断した。
堂園さんには軽い認知症状があったため、看護師チームは10~15分おきに入浴の様子を確認する「見守り浴」にすることを決めていたが、13日は入浴支援をしておらず、事故死の疑いがあった。
取材に応じた病院関係者によると、当直医と一緒に当直勤務に入った看護師は院内の聞き取り調査で、堂園さんについて「当直医には、風呂場で意識不明になった重症者だと話した」と証言したという。その説明では、13日午後8時ごろ、当直医が重症患者の部屋を巡回していた際、浴室で心肺停止の状態で発見された経緯を伝えた。
この看護師は堂園さんの死亡に立ち会い、当直医に病名だけを伝えたとされていた。当直医は院内の調査に、看護師からの報告を認めたうえで「死亡確認をした患者が、前日に説明された重症者との認識はなかった」と釈明したという。
一方、主治医が、堂園さんが心肺停止になった直後の診断で「血液検査、心電図、頭部CTでは心筋梗塞(こうそく)や脳出血は否定的だった」とカルテに記載していたことも、病院関係者の証言で分かった。複数の精密検査をしても容体急変の原因が特定できなかったことを示す記述とされるが、主治医も当直医に死亡時の状況などを直接確認せず、肺結核とした診断を最終的に受け入れていた。
大阪病院の不正死亡診断問題は、毎日新聞の取材を機に院内で発覚したという。同病院の山本隆文院長は18日、「当時の対応は不十分だった。取材を受けた後、組織的な対応の改善に取り組んでいる。亡くなられた患者様には心からご冥福をお祈り申し上げる」とのコメントを公表した。【遠藤浩二、近藤大介】
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