熊谷6人殺害、検察は上告断念=一審の死刑破棄で―遺族「絶望しかない」

埼玉県熊谷市で6人が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われたペルー国籍ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(34)について、東京高検は上訴期限の19日、上告を断念した。一審さいたま地裁の裁判員裁判は求刑通り死刑としたが、東京高裁は一審を破棄、無期懲役を言い渡した。弁護側は上告しており、被告に無期懲役より重い刑が科されることはなくなった。
上告断念を受けた記者会見で、妻の加藤美和子さん=当時(41)=と小学生の娘2人を失った男性(46)は、「絶望しか思い浮かばない。検察の説明は全く納得できなかった。裁判員の方も死刑は苦渋の決断だっただろうに」と心境を語った。「死刑でも無期でも家族は帰らないが、死刑の方が少しは前に進めた。家族には『パパがんばったけど、上告してもらうまで至らなかったよ』と謝ることしかできない。こんな危険な人を世の中に出してはいけない」と声を絞り出した。
一審は被告の完全責任能力を認めたが、高裁は5日の判決で心神耗弱状態と認定し減刑。弁護側は心神喪失状態だったと無罪を主張していた。