21億円を横領 学校法人乗っ取った1部上場ヤリ手社長の手口

すべて「茶番」だった。
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学校法人「明浄学院」(大阪府熊取町)を巡る21億円の横領事件で、業務上横領の疑いで大阪地検特捜部に逮捕された不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の社長、山岸忍容疑者(56)は、一代で会社を東証1部に上場させた立志伝中の人物だった。
山岸容疑者は明浄学院の元理事長の大橋美枝子容疑者(61)ら5人(同容疑で逮捕)と共謀。2017年7月、同法人系列の明浄学院高校(大阪市阿倍野区)の土地の一部を約31億円で不動産会社「ピアグレース」に売却する契約を締結させ、その際に得た手付金21億円を着服した疑い。
2016年春、元コンサルタント会社経営の大橋容疑者は学校法人を乗っ取るため、山岸容疑者から18億円を借り入れ、その金で経営難が続く学院に5億円を「寄付」。その直後、思惑通りに副理事長に就任すると、当時の理事長に10億円を貸し付け、「ピアグレース」元社長の山下隆志容疑者(52)を理事として招き入れた。
「学院は、あべのハルカスの近くにあり、校舎の老朽化で大阪府吹田市への移転計画があった。跡地にマンションを建てようともくろんだ山岸容疑者は、まず大橋容疑者を学院に潜り込ませた。その後、自分と山下容疑者を『寄付者』として理事に紹介させ、売却話を有利に進めていました。12月、プレサンス社は学校の移転を前提に跡地購入の協定も結んでいます。学校の跡地にマンションを建てれば、儲かると考えたのでしょう。ところが移転話が頓挫し、計画が宙に浮いてしまった。このままでは土地も手に入らず、大橋容疑者に貸したポケットマネー18億円も戻ってこないと考え、犯行を思いついたようです」(捜査事情通)
■18億円貸し付け、21億円着服
浮上したプランは、山岸容疑者が経営する「プレサンス社」のカネを迂回させ、懐に入れることだった。
「17年6月に大橋容疑者が理事長に就任すると、山岸容疑者は学院の土地の一部を懇意のピアグレースに売却する契約を結ばせ、21億円の手付金を手に入れた。その金も実はプレサンス社が用意したもので、山岸容疑者は大橋容疑者を支援するために使った18億円の穴埋めに充てたのです」(前出の捜査事情通)
山岸容疑者は滋賀県出身で、同志社大を卒業後、大京観光(現・大京)に入社し、97年にプレサンス社を設立。6年前に東証1部へ上場した。
「ワンルームや高齢者向け高級マンションの建築、販売で業績を伸ばし、権利関係のややこしい土地をうまいこと仕入れ、片っ端から電話をかけ、金に余裕のある顧客に投資用として購入させていた。19年3月期の連結売上高は5年前に比べて約3倍の1605億円。関西での分譲マンションの販売戸数は、昨年まで9年連続トップだった」(業界関係者)