神奈川・川崎市の多摩川河川敷で19日夜、友人らと交互に即興のラップを披露する「ラップバトル」をして遊んでいた川崎市立の高校1年生・太田羅月さん(16)が、罰ゲームで川に飛び込み死亡した。
19日午後9時45分ごろ、川崎市幸区の多摩川大橋付近で「友人が橋から川に落ちて浮いてこない」と119番があった。幸署によると、消防隊員が水中を捜索し、約1時間半後に飛び込んだ場所から下流約20メートル、深さ約5メートルの川底に沈んでいる太田さんを発見。病院で死亡が確認された。
太田さんは、中学時代の同級生を含む友人5人と多摩川河川敷で、交互に即興のラップを披露し、歌詞の韻を踏むテクニックなどを競い合う「ラップバトル」をして遊んでいた。太田さんは最下位になった罰ゲームとして、高さ約5メートルの橋脚によじ登り、川に飛び込んだ。幸署によると、現場にいた友人の複数が動画を撮影しており、太田さん自ら服や靴を脱ぎ、下着1枚の姿で飛び込む様子が写っていたという。太田さんに外傷はなく、溺死とみて事件の詳細を調べている。
20日夕、太田さんと同じ高校に通う1年生の女子生徒(16)が献花のため現場を訪れていた。太田さんと女子生徒は同じクラスではなかったが、4人組バンド「King Gnu(キングヌー)」のファンという共通点から友人になったという。女子生徒は「羅月(太田さん)はいいやつでした。いじめられたりはしていなかったし、学校では楽しげに友達と話す姿をよく見かけていた。高校にはラップ好きの友達がいないから、中学の同級生とかと公園に集まってラップをしていると聞いていました」。
20日は、太田さんも好きだったKing Gnuの新曲「Teenager Forever」の配信日だった。女子生徒は「新曲を聴くことなく、亡くなってしまった。2人で聴いて感想を言い合ったりしたかった。死んでしまったことが信じられない。きっと聴きたかったと思うから」と川に向かって、スマートフォンで曲を流し、亡き友を悼んだ
◆Zeebra「心が痛い」
ヒップホップミュージシャンのZeebra(48)が、事件についてツイッターで「あまりにも悲しい出来事に心が痛いです。自分世代は『ヒップホップの精神が伝え損ねたが故』と思います」とコメント。ヒップホップのあるべき姿について「問題が増えてる今こそ、ポジティブな意識を持つことがカッコいいヒップホッパーなんじゃないかなと思います」とつづり、「もう若いラッパーが死ぬのを見たくありません。ご冥福をお祈り致します」と追悼の意を表した。