「宮蘭フェリー」来年3月運航休止へ 利用目標届かず燃料コストも増

岩手県宮古市と北海道室蘭市を結ぶ定期航路「宮蘭フェリー」を運航する川崎近海汽船(東京)は20日、来年3月末で運航を休止すると発表した。トラックの利用台数が目標を大幅に下回っているうえに、来年1月からは燃料コストの増加で運営が厳しくなるためとしている。
休止は20日に本社で開かれた取締役会で決まった。宮古―室蘭間は昨年6月22日に開設され、貨客船シルバークィーン(7005トン)が就航。1日1往復し、県内初の定期航路として、物流促進や観光客誘致の面から期待されていた。
しかし同社によると、旅客数が好調だった半面、収益の柱となるトラックの実績が振るわず、厳しい航路運営を迫られた。このため昨年10月からは日曜日の室蘭発と月曜日の宮古発を減便し、室蘭発の便を八戸港(青森県)に寄港させる対策を講じてきた。
船舶の燃料油に含まれる硫黄分を大幅に規制する国際的な取り決めが、来年1月1日から実施される。このコスト増加も休止理由の一つという。
今後は三陸沿岸道路の全線開通や、貨物動向も確認しながら再開を検討するとしている。休止後の4月からは八戸―室蘭間で運航するという。
航路の休止について、宮古市の山本正徳市長は「非常に残念」とのコメントを出した。休止が決まった理由として三陸沿岸道路に未供用区間があることや、台風などの影響で農産物の荷動きが鈍く、フェリーの利用が伸び悩んでいる点を挙げた。【鬼山親芳】