「開かずの踏切」は無法地帯、40人超が強行突破 「みんなで渡れば怖くない」状態…JR南武線平間駅

「カンカンカン・・」。警報音が鳴り響く中、遮断機が下りている踏切を数十人が「強硬突破」する――。神奈川県川崎市のJR南武線平間駅前の踏切が、朝の通勤時間帯に「開かずの踏切」になっています。このため遮断機をくぐり抜ける人が後を絶たず、非常に危険な状態が続いています。JR東日本と川崎市は、駅の立体交差事業を計画していますが、完成には20年近くかかる見通しです。事故が起きかねない危険な状態がなぜ放置されているのでしょうか。現場や川崎市、JR東日本に取材しました。(ライター・国分瑠衣子) ●遮断機10分間下りたまま 親子連れや高齢者もくぐり抜け 12月中旬の平日の午前8時過ぎ。JR南武線の平間駅前の踏切で、目を疑うような光景に出くわしました。遮断機が下りているにもかかわらず、会社や学校へ急ぐ人たちが小走りで次々と遮断機の下をくぐり抜けていくのです。目視で40人以上が踏切を突破しました。中にはランドセルを背負った小学生の男児の手を引いた女性や、ゆっくりと歩く高齢者の姿もあります。一人が踏切を通り抜けると、他の人も続々と後に続きます。 ヒヤリとした瞬間もありました。上り線の川崎行きの電車が通過した直後に踏切をくぐり抜けようとした人が、ホームに入ってくる下り線の立川方面行きの電車に気付かずに線路に入り、電車の警笛が鳴り響きました。 弁護士ドットコムニュース編集部のスタッフが午前6時45分から同9時までの間で調べたところ、最も長く遮断機が下りていたのは、午前8時9分から約10分間です。次々と電車が通過する一瞬の隙を狙い、歩行者がくぐり抜けます。遮断機が上がっても15秒後には再び閉まります。 「もう何年も前からこの状況です。朝の時間帯は、スピードの遅い各駅停車しか運行していないということも影響していると思います」。平間駅の近くで店を営む男性はこう説明します。男性は「くぐり抜けはとても危険な行為だと思いますが、長時間遮断機が下りている状況を改善しない鉄道事業者側にも問題があるのでは」と指摘します。 ●武蔵小杉の再開発が影響しているのか? JR南武線は1927年(昭和2年)に南武鉄道として開業し、川崎から立川を結んでいます。沿線には、キヤノンやNEC、三菱ふそうトラック・バスなどの本社や製作所などが数多くあります。 JR東日本横浜支社によると、平間駅の一日の乗降客数は約30,000人です。川崎市が2014年秋に行った南武線尻手駅から横須賀線武蔵小杉駅までの全長5.5㎞の区間の調査では、ピーク時の平間駅前の踏切は1時間のうち40分間も遮断機が下りていて、最大で230mの渋滞ができると報告されています。
「カンカンカン・・」。警報音が鳴り響く中、遮断機が下りている踏切を数十人が「強硬突破」する――。神奈川県川崎市のJR南武線平間駅前の踏切が、朝の通勤時間帯に「開かずの踏切」になっています。このため遮断機をくぐり抜ける人が後を絶たず、非常に危険な状態が続いています。JR東日本と川崎市は、駅の立体交差事業を計画していますが、完成には20年近くかかる見通しです。事故が起きかねない危険な状態がなぜ放置されているのでしょうか。現場や川崎市、JR東日本に取材しました。(ライター・国分瑠衣子)
12月中旬の平日の午前8時過ぎ。JR南武線の平間駅前の踏切で、目を疑うような光景に出くわしました。遮断機が下りているにもかかわらず、会社や学校へ急ぐ人たちが小走りで次々と遮断機の下をくぐり抜けていくのです。目視で40人以上が踏切を突破しました。中にはランドセルを背負った小学生の男児の手を引いた女性や、ゆっくりと歩く高齢者の姿もあります。一人が踏切を通り抜けると、他の人も続々と後に続きます。

ヒヤリとした瞬間もありました。上り線の川崎行きの電車が通過した直後に踏切をくぐり抜けようとした人が、ホームに入ってくる下り線の立川方面行きの電車に気付かずに線路に入り、電車の警笛が鳴り響きました。
弁護士ドットコムニュース編集部のスタッフが午前6時45分から同9時までの間で調べたところ、最も長く遮断機が下りていたのは、午前8時9分から約10分間です。次々と電車が通過する一瞬の隙を狙い、歩行者がくぐり抜けます。遮断機が上がっても15秒後には再び閉まります。
「もう何年も前からこの状況です。朝の時間帯は、スピードの遅い各駅停車しか運行していないということも影響していると思います」。平間駅の近くで店を営む男性はこう説明します。男性は「くぐり抜けはとても危険な行為だと思いますが、長時間遮断機が下りている状況を改善しない鉄道事業者側にも問題があるのでは」と指摘します。

JR南武線は1927年(昭和2年)に南武鉄道として開業し、川崎から立川を結んでいます。沿線には、キヤノンやNEC、三菱ふそうトラック・バスなどの本社や製作所などが数多くあります。
JR東日本横浜支社によると、平間駅の一日の乗降客数は約30,000人です。川崎市が2014年秋に行った南武線尻手駅から横須賀線武蔵小杉駅までの全長5.5㎞の区間の調査では、ピーク時の平間駅前の踏切は1時間のうち40分間も遮断機が下りていて、最大で230mの渋滞ができると報告されています。