福岡県朝倉市の朝倉高校のたった一人の史学部員、1年の中原透也(とうや)さん(16)が、朝倉市の甘木歴史資料館であった研究発表会で、地域に眠る珍しいアーチ型石橋についてフィールドワークをしてまとめた結果を「幻の石橋~奇跡のリブアーチPart1~」と題して発表した。【桑原省爾】
取り上げたのは嘉麻市桑野掛橋の国道下の遠賀川に架かるアーチ型石橋。名前はなく、木々に覆われ地図にもないため、地元でも知る人は少ない。8月、顧問の泉信至教諭と雑草をかき分けてたどり着き、本格的な実地調査を始めた。
長さ約6・7メートル、幅約1・8メートル、ライズ(基礎からアーチ内側までの高さ)は約4・1メートル。アーチ型石橋のほとんどは、渡る方向に対し石材を横に組むブロックアーチ型だが、この石橋は縦に組まれており、ごくわずかしかないとされるリブアーチ型だった。しかも組まれた石材は他に例のない5列もあり、継ぎ目にくさびは打ち込まれていない。
同型の石橋は公園や神社にあって実用性に乏しいが、この石橋は住民への聞き取りで農道として使われていたことが分かり、架橋当時のまま残っている点でも貴重だという。
中原さんは「調査は進行中だが、見事な土木遺産の石橋の存在を知ってもらい、保存・管理に道をつなぎたいと考えて発表した」と言う。泉教諭は「架橋年代や石工グループの特定などを進め、来年春にはPart2の発表をしたい」と話した。
史学部は1949年の創部で、かつては部員が150人もいたという名門。3年の北嶋阿弥(あや)さん(18)と本田詠咲(うたせ)さん(18)が「源為朝と朝倉地域は深い関係にあった」とする説を発表して話題になったが、既に引退し、残る部員は中原さんだけ。中原さんは「自分で現地調査ができ、発見がある過程が面白い」と話し、部員が増えることを願っている。
調査した石橋のパネルを27日まで館のロビーで展示している。