東京進出「落ち着いて作戦会議したい」 ミルクボーイ、テレビ初漫才でM-1王者に

駒場孝さん(33)、内海崇さん(34)
テレビで漫才を披露するのは、この夜が今年初めてだった。そんな正真正銘のダークホースが「M-1グランプリ2019」を制し、第15代チャンピオンに輝いた。
大学の落研で出会い、2007年結成。M-1には09年から挑戦していたが、準決勝にも進んだことがなかった。ところが、今年の2人はひと味もふた味も違った。「おかんが思い出せない朝食の名前」をめぐり、「コーンフレーク」かそうでないかで掛け合いを見せるしゃべくり漫才。その面白さが、予選の早い段階から東京のお笑いファンの耳にも届いていたという。22日の決勝も前評判を裏切らない出来で、1本目は700点満点での歴代最高となる681点。2本目では審査員7人のうち6人の支持を得て、文句なしの優勝を果たした。
鳴かず飛ばずの日々が続き、「お笑いに向き合っていない期間もあった」。3年ほど前から気持ちを入れ替え、ストイックにネタ作りに励んだ。昨年、後輩の「霜降り明星」が優勝したことがさらなる発奮材料に。舞台出演とアルバイト以外の時間をネタ作りにつぎ込み、帰宅後も連絡を取り合った。「今年は12年間で一番頑張った」。しっかり結果が付いてきた。
優勝翌日、大阪に戻った2人の表情には、まだ驚きと戸惑いが残っていた。東京進出の可能性を問われると、「考えたことがなかった。落ち着いて作戦会議はしたいです」。「M-1ドリーム」は始まったばかりだ。【山田夢留】
略歴
駒場孝さん(33)は大阪府、内海崇さん(34)は兵庫県出身。共に大阪芸大卒。駒場さんは筋肉、内海さんは角刈りにこだわる。