ひったくり件数の全国最多が続いていた大阪府が昨年、9年ぶりにワースト1を返上した。東京都より5件少ない254件(暫定値)だった。2000年前後には1万件を超え、「大阪名物」と
揶揄
( やゆ ) されたが、昨年はピークの2・3%まで激減。防犯カメラの普及などが原因とみられるが、金目当ての犯罪が特殊詐欺に移行したとの見方もある。
大阪府内のひったくりの認知件数は1976年以降、全国最多で98年に1万件を突破。ピークは2000年で1万973件に達した。府警は、ワースト1の汚名返上を目指し対策を強化。発生の多い時間帯や場所での集中摘発などを進め、被害は大幅に減少した。
最も効果があったとみられるのは防犯カメラの普及で、ひったくりは全国でも大幅に減少。大阪の認知件数は10年に千葉県を下回り、ワースト1を返上したが、11年以降は最多が続いていた。
一方で、全国的に特殊詐欺の認知件数は増えており、大阪府内は11年の329件から、昨年は1806件となり、過去最多。検挙率は昨年、ひったくりの59・1%に対し、特殊詐欺は39・8%と低く、府警幹部は「特殊詐欺に犯罪の手口が移ってきている」とみる。
府警は02年、取り締まりに力を入れる重点犯罪にひったくりを指定したが、今年から外し、特殊詐欺対策の強化を決めた。府警の担当者は「ひったくりは悪質な犯罪で、今後も取り締まりは続ける」としている。