愛らしい笑顔で人気者だった人、仲間を優しく見守る人、頑固ながらひょうきんだった人……。相模原市の障害者施設殺傷事件で命を落とした19人について、「お別れ会」で示されたエピソードや遺族の話などを基にそれぞれの横顔を紹介する。(年齢は当時)
美帆さん(19)=遺族が名前を公表
「いきものがかり」のヒット曲「じょいふる」がお気に入りで、曲がかかると体を揺らしてリズムを刻んでいた。人の心をつかむのが上手で、何気なく、すーっと人の横に近づいていって前から知り合いのように接していた。人が大好きで、可愛らしい笑顔で人気者だった。
男性(67)
リーダー的な存在。新人職員にも丁寧に仕事を教えた。入浴後の衣類の片付けを、職員と専用台車を引いて楽しそうにしていた。エレベーターのボタンを進んで押すなど、職員と間違われるほどしっかりした人だった。畑でサツマイモや野菜類、シイタケの栽培をしていた。
男性(65)
おちゃめなところがあり、出勤してくる職員を小走りに玄関まで迎えに来た。散歩時には、はしゃいでいた。職員、利用者を問わず誰とでも仲が良かった。
男性(41)
ショートステイでやまゆり園を利用していた。ダンスが好きで、「B’z」のCDをかけて踊っていた。アニメ「ドラゴンボール」も大好きでDVDを大切にしていた。作業をする時も普段も仲間たちを優しく見守っていた。頑固でやさしく、ひょうきんだった。
女性(40)
食事をおいしそうに食べていた。散歩やドライブ、一つ一つを楽しんでいた。
男性(55)
片足が不自由で、万一、転倒した時のために頭部を保護する帽子を常に着用していた。自由に言葉で意思表示できないため、絵や写真を指さす。昔の職員を気にかけたり、若いころの自分を職員にアピールしたりしていた。普段はリビングにいるが、家族が訪ねてくると一目散に玄関に走っていった。
男性(43)
音楽が好きで、踊りのレクリエーションなどを楽しみにしていた。
女性(65)
いつも笑顔で仲間の中心にいた。家族と日帰りで外出して楽しく過ごした。
女性(70)
ソーラン節を歌うと喜んでくれた。「もっともっと歌って」と催促してきた。行事の時は家族とステージを楽しんでいた。
女性(26)
キラキラして大きく可愛い目が魅力だった。アイスが大好きで寒い時でもうれしそうにかじりついていた。水遊びが好きで活発な性格。おちゃめなところもあり、周囲から可愛がられていた。スピッツのヒット曲「チェリー」をとても気に入っていた。
野球や電車が大好きで、何よりも仲間との外出を喜んでいた。野球を見に行って買ったユニホームが似合っていた。
男性(66)
普段はベッドに横になり、CDを聴いていた。お気に入りは演歌。匂いには敏感で、メントールクリームがお気に入り。手や鼻に付けると喜んだ。
趣味は昔ながらのトランジスタラジオをいじること。夢中になってラジオに耳を傾けていた。チャンネルを回して、ざわざわする音を楽しんでいるよう。自然と流れ出す音や声に興味津々だった。
女性(46)
ディズニーランドが大好き。体調が優れないときも元気に振る舞い、ミッキーマウスの歌をよく歌ってくれた。
男性(49)
囲碁や将棋が好きで、毎週日曜に囲碁のテレビ番組を見ていた。職員と囲碁をし、評論家のようにコメントをすることもあった。電車も気に入り、眉間(みけん)にしわを寄せ大きな声で「ドアが閉まります。ご注意ください」と車掌さんのまねをしていた。穏やかに他の利用者を気にかけたり、状態の変化を感じ取った時には職員に報告してくれたりする思いやりを見せてくれた。
行事の演奏の時には、ステージに一緒に上がってリズムを取ることがあった。職員の洗濯物たたみを手伝った。職員が気がつかないでいると、「うっ、うっ」と声を出し肩をたたいて教えてくれた。からっとした性格で、大きな口を開けて笑った。
女性(55)
行事のたびに訪れる家族にとても愛されていた。無邪気で、癒やし系。紙袋の「かさかさ」という音や、リボンがとても好きだった。
女性(35)
フルーツとコーヒーが大好きで、自宅では毎朝、甘めのコーヒーを飲むのが日課だった。気まぐれ、甘えん坊な性格で、家族のアイドル的存在だったという。
女性(60)
「嫌」と言わない人。目で自分の感情を伝えていた。外に出ることが大好きで、遠足でディズニーランドや八景島に行った。にこにこ笑って体を揺すっていた。