東京都品川区は8日、同区大崎の「Think Park消化器クリニック」で2013年10月~昨年8月に実施された肺がん検診で「異常なし」と診断された16人が、実際は肺がんなどの疑いがある「要精密検査」だったと発表した。ミスは同クリニックが区の委託仕様書と異なる方法で検診したために起きたといい、区は調査委員会を設置し、原因解明と再発防止に乗り出す。
発表によると、肺がん検診は同区医師会に業務委託し、同クリニックではこの16人を含めた842人が「異常なし」とされていた。16人のうち肺がんの疑いがあるのは7人。ほかの7人には肺がん以外の疾患の疑いがあり、うち1人はすでに死亡しているが、区では「死因は不明で因果関係はわからない」としている。残りの2人は別の医療機関で診断を受け、肺がんではないことが判明したという。
区などの調べでは、同クリニックでは、区の委託仕様書で「正面と側面の各1枚を撮影する」と規定されていた胸部エックス線撮影を、正面の1枚しか行っていなかった。また、医師2人以上で行う画像診断で、1人は経験豊富な呼吸器か放射線の専門医を含めるはずだったが、専門医は診断していなかったという。
昨年9月、同クリニックが仕様書に基づかない検診を行っている可能性があるとの報告があり、区や区医師会が842人の画像を改めて診断し、発覚した。同クリニックは区などに対し、「都の検診指針では正面1枚の撮影を規定しているので十分だと考えた」と説明しているという。区は「信頼を損ねる結果となり、受診者と家族に深くおわびしたい」とコメントした。