大阪府八尾市の農地に産業廃棄物を大量に埋めたとして、大阪府警は9日、同市神立の造園業、奥野美晴容疑者(59)ら2人を廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで逮捕した。捜査関係者が明らかにした。現場は、農地以外に転用できない農業振興地域に指定されており、近年は農作物が栽培されない「耕作放棄地」だった。奥野容疑者は農地を安価で購入し、複数の業者から計約200トンの産廃を受け入れて報酬を得ていた疑いがあり、府警が経緯を調べている。
他に逮捕されたのは、同市安中町の元ダンプカー運転手、平野裕昭容疑者(70)。逮捕容疑は2019年5月、奈良市内の家屋解体工事で出たコンクリート片などの産廃約8トンを八尾市大窪の農地に捨てたとしている。2人とも容疑を認めているという。
捜査関係者によると、解体業者から産廃の処理を請け負った平野容疑者がダンプカー2台分の産廃を運び込み、農地を管理する奥野容疑者が土と混ぜるなどして埋め立てていた。
奥野容疑者は逮捕前、毎日新聞の取材に「小遣い稼ぎのつもりだった」と容疑を認めていた。これまでに運び込まれた産廃はダンプカー計約50台分(計約200トン)に上り、計100万~200万円の報酬を受け取ったという。府警は解体業者らも、産廃を適正に処理しなかった疑いがあるとみて調べる。
八尾市によると、近くの農家から「ごみが混ざった土で水路が埋まっている」と相談があり、市の担当者が現場を確認して発覚。産廃は高さ数メートルまで埋め立てられていた。
現場一帯は古くから花や木の栽培が盛んで、市の農業振興地域に指定されている。しかし、この農地は農業の担い手がなく、長年、耕作放棄地になっていた。
農地法では、農地の購入は農家にしか認められず、市の農業委員会に営農計画を提出する必要がある。奥野容疑者は19年、農家を営む兄名義で農地計約1100平方メートルを購入。農業委には「植木を栽培する」と申請し、兄から所有権を譲り受けていた。【安元久美子】