「狩野川台風」例示して注意喚起、危機感高まらず

気象庁は14日、昨年の台風19号の被災地の住民らに防災・気象情報が適切に伝わったかを尋ねたアンケート結果を公表した。19号上陸前、東海・関東地方を中心に大きな被害が出た1958年の

狩野川
( かのがわ ) 台風を例示して注意喚起したことに、長野や茨城、福島などの住民を中心に16・8%が「(危機感が)高まらなかった」などと回答した。
狩野川台風の被害エリアに引きずられ、甲信や北関東、東北では危機感が伝わりにくかった実情が浮かび上がった。
アンケートは昨年12月、7県の住民にインターネットで行い、2100人から回答を得た。避難行動を取った300人に、大雨特別警報解除後の行動についても尋ね、30%が「安全になったと考え、避難先から戻った」と答えた。19号では、解除後に河川の氾濫発生情報が出された地域があった。
アンケート結果は14日に同庁で開かれた情報伝達を検証する有識者会議で報告された。同会議は、伝達方法の改善策を盛り込んだ報告書を3月に取りまとめる。