抵抗できない状態だった当時19歳の実の娘と性交したとして準強制性交等罪に問われ、1審・名古屋地裁岡崎支部で無罪判決を受けた40代の男性被告の控訴審公判が14日、名古屋高裁(堀内満裁判長)であり、検察側は「1審判決を破棄して適正な判決を求める」と述べ、弁護側は無罪を主張した。判決は3月12日。
検察側は、娘を精神鑑定した女性医師の控訴審での証言を引き合いに「被害者は被告による長期間の性的虐待で抵抗や拒絶の意思が奪われ、事件当時、精神的・心理的に抵抗できなかった」と主張。一方、弁護側は「女性医師の鑑定は事件から2年経過しており、証言の信用性は乏しい」と反論した。
被告は2017年8月に勤務先の県内の会社で、9月には県内のホテルで娘と性交したとして起訴された。同罪は、相手を「抗拒不能」(身体的・心理的に抵抗するのが著しく難しい)状態にさせたり、その状態につけこんだりして性行為をした場合に成立するため、抗拒不能の認定が争点となっている。【川瀬慎一朗】