南米エクアドル沖に位置するガラパゴス諸島で現地時間12日、3番目に大きなフェルナンディナ島の火山が噴火した。
この島には人が住んでいないが、絶滅危惧種のゾウガメやイグアナなどの独自の生態系が発達している。
エクアドル地球物理学研究所(IGEPN)やガラパゴス国立公園によると、現地時間12日午後6時10分ごろ、ガラパゴス諸島の最西端に位置するフェルナンディナ島のクンブレ火山が噴火して、溶岩流が海に向かって流れ出した。
すでに海岸線まで1300メートルまで迫っていて、そのようすはボリバル海峡をはさんだ近隣のイサベラ島からも確認されているという。
フェルナンディナ島はガラパゴス諸島のなかでも5万年前の火山活動で形成された最も若い火山島で、その中央のクンブレ火山は、標高1476メートル、中心に長さ6.5キロ、幅4.8キロ、深さ900メートルの巨大なカルデラを持っている。2018年6月にも噴火していて、今回も噴火の前にマグニチュード4.7の地震が発生するなど、火山性地震があいついでいる。
島は活発な火山活動で、地表が溶岩流に覆われていて、ほとんど植物が生えていないが、海岸近くのエスピノサ岬には、ガラパゴスペンギンやガラパゴスコバネウが営巣しているほか、ウミイグアナの群れが生活しており、国立公園のレンジャーが生態系への影響を注視している。