富山駐在所襲撃 起訴内容認める「拳銃奪い自殺しようと」 富山地裁初公判

富山県警富山西署の池多駐在所で2019年1月、警察官が襲われ、けがをした事件で、強盗殺人未遂などの罪に問われた元富山大生、前田将輝被告(23)の裁判員裁判の初公判が14日、富山地裁(大村泰平裁判長)であった。前田被告は「(間違い)ありません」と起訴内容を認めた。
検察は冒頭陳述で動機について、「交際相手から別れを告げられた強い喪失感から、警察官を襲って拳銃を奪い、自殺しようとした」と指摘した。
一方、弁護側は前田被告は発達障害の一種、自閉スペクトラム症と診断されたことを明かし、「小学校の頃からいじめに遭い、劣等感を抱いていた。交際相手に別れを告げられ、自殺を図ろうとした。拳銃を奪うことが目的で、殺害しようとまでは考えていなかった」などと主張した。
起訴状によると、前田被告は19年1月24日、富山市池多の富山西署池多駐在所で、拳銃を奪うために巡査部長(31)をハンマーで殴ったり、小刀で首を突き刺したりして、殺害しようとしたとされる。巡査部長はけがをしたが、その場で前田被告を現行犯逮捕した。【高良駿輔】